「さて、と。」

立ち上がった私の太腿辺りをさすさすしてくる來玖さん。

「…何か?」

「やっと帰ってきたんだから甘える時間。」

「そんな事してたら晩御飯が朝御飯になっちゃいます。」

「我慢出来るよ。廻音見てたらお腹空かない。」

「私は空く…ん、です…よっ…!」

足をバタバタさせれば「おっと…」と離れる彼。

「もう…馬鹿言ってないでシャワーでも浴びてきてください!」

邪険に扱われた來玖さんは、ションボリ顔で体操座りをしている。

可愛くなんか、全然ないんだから。