暫くぼんやりと宙を見つめていた黒雅さんが思い出した様に口を開く。

「輪廻だって普通の女の子だから、『俺と同じ』なんて求めちゃいけないんだ。
当たり前に人付き合いをして、生きてれば恋だってするだろう。
食べる、寝る、呼吸をする。
同じ様に恋をしたって責めるなんて誰にも出来ない。しちゃいけないんだ。

なのに、それでももしもあの日と同じ想いが輪廻の中にも在ればって、その想いだけで嬉しくて…。

死ぬ程輪廻が好きだよ。」



かける言葉なんて、かけられる言葉なんて、今の私には無い。
ただ彼の為に祈りたい。

どうか想いが届くようにと。