席に着くなり柚子姫ちゃんがお冷とおしぼりを運んでくれる。

「ご注文お決まりでしたらお伺い致します。」
少し照れ臭そうな彼女もまた可愛い。

「アイスコーヒー。廻音は?」

彼の辞書の中に、きっと「優柔不断」の文字は無い。
メニューに目を通す事も稀で、いつも素早くきっぱりと注文を済ませてしまうから、逆のタイプの私には困りものだ。

私が優柔不断になると、その場で店員さんを待たせちゃうし、だから「決まってからまとめて注文すればいいのに。」と少しムッとしてしまう事もある。