チリン、チリンと響く鈴の音は、猛暑を忘れさせてくれる程に涼しげだ。

木製のドアを押し開けて、冷気に躰を包まれると、感涙してもよかった。
それくらいに冷房の冷たさに躰が喜んでいた。

冷房の使い過ぎが躰に良くない事は重々承知していても、今日日自然の力ではどうしようもない事はある。
文明の利器をこの世では無視して生きていけるだろうか？

熱中症は恐ろしい。
だから少しだけ、もう少しだけ…あと五分だけ、と。
まるで低血圧寝起き最悪人間みたいな言い訳で、どんどん冷房を酷使する。

夏風邪に苦しむのがオチなのに。