廻音

一息につらつらと並べたてられたソレは、あぁ余程持て余してしまった感情なのだろうと、感嘆さえ溢れてしまいそうだ。

何も言わない私に勘違いしたのか、

「気を悪くしないで。出来るだけ、君を犠牲にしたいなんて思っちゃいないよ。『出来る』ってだけの話だ。
輪廻への愛で苦しいんだ…。」
と、しおらしく俯く彼。

「怒ってなんかいません。ただ…相変わらず…そうですね。やっぱり愛が溢れ過ぎですよ、黒雅さんは。」

薄く笑う私につられて、彼もまた照れた様な笑みを溢す。

彼が居る。
その不思議な感覚はまだ消えそうにもなかった。