意を決した私の口から飛び出したモノは、皮肉だった。

「あなたの目的は私じゃない筈です。
それとも少しでも姉の面影があるなら…誰でもよくなっちゃったんですか?」

そんなわけあるか。
自分自身、無茶な発言だと解っている。
彼の想いは昨晩の手紙で、いや、もう随分前から識っているではないか。

案の定…。

「馬鹿な事を言わないで欲しいなぁ。
確かに君はハッとする程、輪廻の面影がある。遺伝子レベルで驚愕に値するよ。
でもね、聡明さ、憂い、高嶺の華も己を恥じて枯れそうなくらいの美しさを彼女は纏っている。
誰一人として彼女の代わりなんて出来るものか。

俺を支配し続ける恋しさ。極刑に値するね。
彼女さえ居れば、何を捨ててもいい。
輪廻を全ての悪から救えるのなら、何を犠牲にしてもいい。例え君でもね。

輪廻だけが俺の全てだ。」