「先輩?」 あっ、声が出た。 えっ? うわっ! 「今日は寒いから、待たせないように早く来たのに……いったいどの位、待ってたんだ? 鼻の頭、赤くなってるぞ?」 先輩はそう言って、温かい缶コーヒーを私の鼻の頭にくっつけた。 寒いところで話すから、きっとカイロ代わりに買ってきてくれたんだね? 「ありがとうございます」 私は先輩の気遣いが嬉しくて、自然にそうお礼を言っていた。 そして、その缶コーヒーを受け取ると……。