俺は体育館の端で立ち止まると、校舎へ戻る前にチラッと振り返った。 遠くに見える2人の姿。 美雪と沖野先生。 残念だけど、悔しいけど、それでも……。 美雪が楽しそうな笑顔で居られるなら、それでいいんだ。 俺は思わず、空を見上げた。 なぁ、僚二……おまえもきっと、そう思うだろう? 心の中で僚二にそう問い掛けながら、俺は昔の僚二と美雪を思い出していた。 ☆ ☆ ☆