そちらを向くと
目の前にはハゲたおっさん。



「に、二万でどう?」



指を二本立てて
ニヤリと笑う。



あたしは彼を鼻で笑った。



「安すぎ。帰れよジジィ」


「……っ」



ひるんだ親父を横目に
あたしは歩き出す。




刹那。



「アヤミィー?」



低く。鬼の形相で
あたしの名前を呼ぶ茶髪のギャル。



「なんスか、ちぃ先輩」



笑って応えた瞬間、平手打ちが
あたしにぶちあった。



「テメー、ヒトのオトコ盗ってんなよ!!」



ちぃ先輩……彼女は
1ヶ月で彼氏を変える
この辺りのリーダー的ギャル。