でもいつか、お金が貯まったら
一人暮らしして
ちゃんと学校に行きたい。



それが、今のあたしの
生きる意味。





「……アヤミ、きいて」



唇を噛み締めて
うつむいていると

女の子は穏やかな声で言った。



「アヤミは施設に入ったほうが
良いと思う。

アタシ等とは違う
まっとうな道を進むなら」



「施設?」



あたしが問うと、女の子は
施設の話をしてくれた。

親と離れて暮らせる施設があること。

そこならハウスの人が
親身になってくれること。


実際に、あたしと似た境遇の友達が
施設にいること。






「──できた」


話を聞き終わったあたしの耳に
そんな呟きが聞こえた。