「それよりアヤミ、あんた 何であんなことしてんの?」 「え?」 問い返すと、女の子は "ママ"であるおばさんから ジュースを受けとりながら 盛大なため息を吐く。 「援交、とか。 ちぃ先輩に逆らったりとか」 「……金が、いるの」 「どうして?」 そう訊かれて 唇を噛み締めた。 言いたくない。 でも、言わなきゃ…… ──ちぃ先輩を止めたこの子には 大きな権力があると思った。 ちぃ先輩をも勝(まさ)る、 人付き合いが、この子にはある。 この子を怒らせたら 今度こそ殺される。