二十歳。
渉の命日だ。
日にちではなく二十歳という年齢で、渉の死期は決まっていた。まだ“あの頃”ならば、何を馬鹿なと思えたのに、歳を重ねるごとに“鮮明”になってきた。
何をどうとは言えない。直感に近くも、口で表現できるものでもなく、この“呪い”は渉にまとわりつく。
決定的だったのは十三歳のあの日。決して無視はできない事故があった。
事故――あるいは事件、もしくは不運。
不運だった、運がなかっただけで“あの人がああなった”のは渉のせいではないにしろ、渉がいなければ起こらなかった結果だった。
原因と結果。
例えば、車の前に飛び出したのはあちらにせよ、そもそも“車なんかなければ”大事には至らなかったという、そんな途方もなく明け暮れるほどの“致し方がない話”にせよ、とても割りきれるものでもなかった。渉には、到底無視できることでもなかった。