「んだとっ。てめえ、舎弟一号の分際で俺を見捨てる気かよ!てめえの椅子と机に接着剤つけて、『あひっ』って驚かせてやろうか、ェアーン?」


「あ、先生、ここに――」


「すんませんんっ、調子ぶっこきましたああぁ!頼む、頼むわたるん!匿ってくれやがれですからあぁぁ!ほら、いけめんなみんな大好き野口様をお前にくれてやっから!」


千円札を口から取り出す溝出。お金など貰う気はないが、今回ばかりは溝出を巻き込んだのは僕かと匿うことにした。


となれば、溝出をどこかに隠す必要があり。


「分かりました、溝出さん。では、早速この中に」


かちゃりと焼却炉の扉を開けたわたるんである。


「よりによってそこおぉぉぉ!?」



今日一番の大音量を出しつつも、きっちり隠れる溝出。










――期待虚しく、簡単に発見され、火をつけられたのは最早お約束であった。