お願いしようとしたためか、思わず足を止めて、電話の向こうの相手の心境を探ろうと耳を澄ませた。
何せ、ここで了承を得られなければ、阿行は自分に下着の話ばかりすることだろう。適切な言葉をかけるにも、事がことなのでいつかは限界がくるし、やはり下着は同性がいいだろうと渉なりの配慮だった。
人見知りをしない阿行のことだから、女生徒見つけて頼めば誰でも付き添ってくれるかもしれないが、阿行は『渉に言ったんだ』。
言われた当人が何とかしてあげたいと思い、いざ阿行のブラを誰に頼もうかと考えて真っ先に出たのが“彼女”だった。
阿行が前の下着は“彼女”と買ったと言ったのが起因にしても、渉にとって――友人を作らないようにしていた渉にとってみれば、“彼女”ほど気さくな人はいなかった。


