罪語りて所在の月を見る



(二)


服装からして渉は古風と思われがちだが、案外彼は現代っ子である。


「もしもし。あ、今、お時間大丈夫でしょうか。はい。すみません、折り返しかけてくれたのに出られずで。学校では電源切っているんですよ。

え?ああ、まだいますよ。今は掃除中です。大丈夫ですよ。誰にも迷惑かけないように、きちんと外でかけていますから」


そうやって黒い携帯電話で通話をする渉を見たら、人は「裏切り者っ」と古風イメージ打ち崩されたと叫びそうになるが、今渉が歩く道先に人はいなかった。


右手でケータイ。そうして、左手にはゴミ袋。ゴミ出しのために焼却炉に向かうこの道筋はあまり人がよりつかなかった。


清掃時間となれば数人ほどいそうだが、清掃時間始めあたりにゴミが溜まっているなと渉は先に来たため、人はいない。大概の生徒は清掃終わりに集めたゴミをまとめて出すだろう。