罪語りて所在の月を見る



押さえつけ、とは言っても優しく、冬月の側頭部を手のひら全体で包むようにして。


「よし、これで大丈夫ですね」


盛り上がりもストンと下がり、綺麗になったと渉がやっと手を離すわけだが。


「ぁ、ぅ……」


「冬月君?」


今のは聞き逃さなかったと渉が疑問符をあげた。


「ぅ……ぁぅ……」


何を言っているか聞き取れない。表情で察しようにも狐面で見えなかった。――ただ、肩を上下させるほどに息を荒げているような。


「大丈夫ですか?どこか具合でも……」


「ひぅ……っ」


息が苦しいなら狐面を取ればいいと渉の手が面に伸びるわけだが、なぜか冬月は一歩下がって回避した。胸元で片手を握りながら。