罪語りて所在の月を見る



余計なものを殴った衝撃で、折れた柄がまた真っ二つに。一番悲惨なのは箒なんじゃなかろうかと、渉は思う。


何せ、ただの箒ではない。教室の掃除用具入れに一本だけあるような、清掃のさいは生徒がその自在箒を楽だと取り合いになる人気の一本なのに。かちゃかちゃと規則正しいリズムを鳴らすと、何だか楽しくもなる自在箒が……


「いや、悲惨なのは彼らなんでしょうけど……」


ピクピクと痙攣し、泡を吹いているのだから、臓器にダメージがあるみたいだ。


「誰が気絶していいと言った」


そんな悲惨の腹を踏みつける鬼畜。「べぶっ」と目を覚ましたのはAだった。泡が気管に詰まったらしく、げほげほと咳き込むが、冬月は腹に置いた足を捻り潰すようにぐりぐり動かす。