半端にある分岐だが、選ぶならば最善たる方を人は選ぶもの。


この『清掃時間は放課後』という分岐点が渉にとっては、最善には思えなかった。


窓を拭きながら、グラウンドを帰宅部男子たちが群れて歩く。一年だろうか、個性ない顔立ちばかりで、ABCと配役されてしまう男子諸君に一人の女子がホウキを持って呼び止めていた。


男子たちを追う女子だが、妙に胸が弾む。胸の大きさなど気にもしないし、Iカップおぶさりっ子を背中に装備している以上、渉にとっては意識にも向かないものだ。


男子ならばほぼ、ホルスタインだのけしからん娘などの印象をその女生徒に向けようが(実際、男子に胸を指差されてからかわれていた)、渉の印象は金髪の委員長だった。