己の矮小を思い知る。それでもみんなは、また笑って渉に手を伸ばしてくれることを想像した。
「なんだ」
すっごい幸せじゃないか、僕は――
「まずい、泣きそうだ……」
「マジかよ。ケータイ貸せ、ムービー録るから」
「ウソです」
「しばくぞ」
藤馬の悪態に渉は軽く笑ったが、やけに水分が混じった声音だった。
顔を埋めた腕に目を擦り付けるような素振りを見て、藤馬は忌々しげに三度目の舌打ちをする。
「ムカつくわ、ほんと。どっか行け、ここで寝んな」
無理矢理に渉の腕を引っ張り立たせた藤馬。渉は歩く気力もないらしく、垂(しだ)れて体を背中から曲げている。
「寝室行けや。どうせ家政婦代わりのアレが布団でも敷いてんだろ。俺はこれから、このムカムカを『まりりんちゃん』で発散すっから、てめえは失せろ。野郎に俺の抜くとこ見せる趣味はねえんだよ」


