恐怖を覚える感情も凍結していたのに、先ほどもあの時も、“普通に笑えることを知った”のだから、喜びが凍てついた感情を溶かしてしまった。
だから、恐怖した。
目の前で起こることは、幸せな自分を破滅に導くと宣言しているようで。
「……、ダメだ」
いい加減、疲れたと渉は顔を腕に埋めた。
寝ようと思ったが、いじわる藤馬は髪をぐしぐししてきて寝かせようとはしなかった。
「どっちがガキだか……」
「あー?なんか失礼なこと言っただろ、今」
「気のせいですよ。藤馬さんはやっぱり若いと思っただけです」
「だろうよぅ。20代でも通用すんぜぇ」
「いえ、14ぐらいです。精神年齢だけは」
「クソガキ真っ只中じゃねえかっ」


