藤馬が渉につきまとう理由は、こうして自身の遊び道具にすることにある。
『死ぬまで遊んでやるよ』と断言するほど、藤馬は渉で遊び尽くすつもりだった。
奥さまの浮気相手だから、苦しみ死ぬさまが見たいと言うが、そんな理由は所詮“二の次”だと渉は思っている。
この人は、悪だ。
人の苦しみ悲しみを肴に酒が美味いと高笑いするような悪党なんだ。
二十歳までしか生きられないと小さいときから知っていた渉は、もはやその運命を受け入れていたが――悪党は“らしくねぇ”と舌を出す。
「それでいいんだよ、てめえは今まで不幸すぎた。もっと楽しめよ、わたるん。青春謳歌、思う存分、忘れられないほどの思い出を作れ」
「死ぬときに、思う存分後悔するためですか」


