罪語りて所在の月を見る



藤馬の指が渉の顎を鷲掴む。力は入れてないらしいが、伸び放題の爪が頬をかいた。


「弱そうでいて、そうして生意気な目。全てがどうでもいいと見下すような、遠くにあるような鷲の目だ。ムカつく顔だなぁ、こんな顔見てりゃあ、あのババアもいじめたくなるわな。あー、ババアの気持ちの方が分かっかもな、おーれー。

弱いガキが、んな目すんじゃねえよ。子供らしくいろや。大人に媚び売って生きるようなひ弱な存在でいろよ、わたるん」


「なら、僕には無理な話ですよ。期待に応えられない。僕はもう、全てを諦めなきゃいけないんですから」


「口だけなら何とも言えるよなぁ。生意気な目は相変わらずだが、どうにも最近、“楽しそうじゃねえか”。まあ、大方の理由は想像つくがな。

『諦めた』じゃなくて、『諦めなきゃならない』になったあたり、てめえの死に目はさぞや、“爆笑もん”だろうよ」