はやし立てるように、罪悪感を煽るように、尖った歯が軋む。
「お前、ババアが気狂いのままで安心してんだろ」
「……」
それには否定も肯定もしなかった。
いっそ眠りたいが、どうやら藤馬は弱っている渉をそのままにしたくないらしい。
もっと苦しめと、愉快げにしている。
「いやいや、気持ちは分かるって。なんせ、お前はあのババアからひどいことされたもんなぁ。って、やっぱ分かんねえな。だって俺、誰かに虐待されたことねえもーんっ」
虐待の単語に、渉は顔をあげて、何かを言いかけたが――最適な言葉が見つからず、藤馬の包帯から目を逸らした。
「逸らすなよ、てめえの顔は、いたぶりがいある顔なんだからよぅ」


