罪語りて所在の月を見る



信じらんねえ、と渉のつむじを押していた人差し指を引っ込め、コタツ布団で拭きまくる藤馬。


そういえば、ビールかけられたんだっけなと生乾きの制服と髪で思い出した。


それを些細なことと思えるほど、意識を回してはいられなかったのだろう。


疲れた人間とは、真っ先に眠りたいと思うものだ。現実から逃避したいと。


「はあ?酒飲むの、わたるん。やめとけって、ショタっぽいお前には合わねえよ。酒飲んでも、せいぜい甘酒までがセーフラインだろうが」


「何の基準かは分かりませんが、飲みませんよ。ちょっとした……事故みたいなものです」


「ジョッキ持って『終電、終電ー』って走るOLと角でぶつかったか?」


「なんですか、そのときめき要素皆無なラブシチュエーションは……」