「フクロウ、不苦労(ふくろう)ねぇ。こんな子供だましでわたるんの苦労がなくなるわけねえのに」
「確かに単なるおまじないの意味も含めてのフクロウの羽でしょうが、僕は嬉しいですよ。なんだか、励まされているみたいで」
「まあなぁ。おまじないってのは、言っちまえば気持ちの問題だしぃ。受験生がトンカツ食ったりと同じ、験(げん)を担ぐみてえな意味合いでモチベーションあげるためにせよさぁ。
わたるん自覚してんの?お前、かなり“おかしい”ぞ」
「……」
「思い当たる節ありかよ。奥さまに心配かけちゃってまー、え、殴っていい?」
「ヤキモチですか」
「ヤキモチすぎて焦げるほどだぜぇ。はあーぁ、いい旦那さまがいるってのに、気が多い奥さまだこと。束縛しねえように、自由に羽ばたかせてやってるこの俺の心遣いに泣いて感動してもいいのによぅ。
そんな奥さまの浮気相手たるわたるんの苦しみぶりは、俺にとっていい肴だなぁ。あー、二十歳が待ち遠しいっ」


