姿勢は崩したまま、揺れる羽を人差し指でつついたあたりで、藤馬がこちらを振り返る。
「……」
渉と目が合うなり、虚を突かれたような間抜け顔をしたかと思えば、すぐに嫌な笑みを浮かべていた。
「なんですか」
「べっつにー。ただ、“らしくねえな”って思ってよ」
渉の前に――藤馬はコタツに片足だけ突っ込み、もう片方は膝を立てて行儀悪い体勢でいた。
あぐらかくよりも酷い。立てられた膝によって捲れたコタツ布団の隙間から、外気が入ってきた。
「奥さまもまーだ、こんなことしてんのかよ」
可愛いことすんなぁと呆れるぜぇと言いたげな口元を保ったまま、藤馬が灰色の羽を摘まんだ。
「あ……」と渉が言う前に、藤馬は羽を鼻下に置いて、香でも楽しむかのように深く息を吸った。


