コタツはついていなかった。最初からパソコン目的だったのか、藤馬はコタツに入らず、ずっと『まりりんちゃん』に現を抜かしていたのかもしれない。
ひんやりし過ぎている足場で、コタツをつけようかと思ったが、何だかスイッチの切り替えさえ面倒に思えた。
腕をテーブルに置き、顎を埋めるようにその上に乗せた。
それだけの動作でテーブルの上の羽が、僅かに揺れる。
「五十鈴(いすず)さん、来てましたよ」
「知ってる」
即答されたことに渉は首を傾げそうになった。
藤馬のことだから五十鈴の話題――近くにいたとなれば、下品な笑みを浮かべて追いかけそうなのに。
「会ったんですか、ここで」
もしかしたら渉がいない時に既にこの家であったのかと、渉なりに推察立てたが、藤馬は笑いもせず、マウスをカチカチしていた。


