――と、手に持っていた羽のさわめく感触であることを思い至った。
「藤馬さんがいたから、寄らなかったのか」
合点がいったと一枚の羽をコタツの上に置いた。もうそろそろ世間様ではコタツをしまう時期だろうが、渉の家は一年中コタツ出している。
山の中腹で、緑に囲まれているからか年がら年中涼しいほど。夏場にヒーターをつけることはなくとも、コタツ布団そのままで不自由しないので今年もずっとコタツのまま。
藍色の生地に白兎が跳ねる可愛くも風情ある柄のコタツ布団を持ち上げ、渉は中に入った。
パソコン用デスクは部屋の隅。ここから丁度、藤馬の耳とシャットダウン中のディスプレイが見えた。
詰襟学生服の渉が思うのもなんだが、『藤馬さんにパソコン似合わないなぁ』と感じてしまう。


