(二)
居間の襖を開けるなり、渉を出迎えたのは「しゅごいのおぉっ、おくっ奥に当たって、はあ、いっぱいぃぃ、っ~~」というショッキングピンク色の凄まじい声だった。
無論、自宅の居間でそんな行為が発生しているわけではない。発生していれば渉はすぐさま襖を閉めて現実逃避をしたいものだが。
「人の家のパソコンで、何見てんですか……」
パソコンの前に座って、尖ったサメ歯をにししと軋ませる男を、渉は呆れ顔で見た。
普通、そういう系の動画を見るときにはヘッドホン越しに聞きそうなものだが、男は体裁を気にしないのか、渉が来たとしてもパソコンの前から離れず、それなりの音量でエロ試聴をしていた。


