鋭い鍵づめが石段をがりっと鳴らし、その金に囲われた黒目が大きく膨張する。
鳥の種類はフクロウ。灰色で上品さが漂うフクロウが、そこにいた。
右目は硬く瞑られ中身は見えないが、“やけに長い睫毛が伸びている”。
開いた左目に睫毛などなく右目のことがなければ普通のフクロウであろうに。
「すみません、助けていただいたみたいで」
頭を下げてまで渉が言った言葉は、鳥に接するものとはほど遠かった。
「その、迷惑かけてばかりですよね、僕。あなたに迷惑かけないようにしたいのですが、どうにも……」
またすみませんと言おうとした渉に、フクロウがバサバサと翼を羽ばたかせた。
皆まで言うなと言いたげな、渉はそう感じたらしく、立ち上がって軽く頭を下げるだけにした。


