「……」
気づいた渉はもう喋るのをやめた。
伯母の好きにすればいいと、呪言全てを耳に入れ、骨と皮だけのような手で顔を舐めるように触られても、拒絶しなかった。
異臭が鼻をつく。体臭だけでなく、口臭さえも。何を食べているのか、やけに血なまぐさいものだ。
笑う声、唇の血が顔全体に染みていく。血管のような赤色は固まり、流れた唾液と混ざった。
逆さ吊りの首がゆらゆらと、今にも渉の首にかぶりつこうとして――影が伯母に覆い被さった。
「あ゛い゛いぃぃぃ!?」
奇声あげて突如、降りかかってきたものに伯母は驚き、間近でそれを見た渉も腰を石段につけてしまうほどに驚愕した。


