「あ、黒歴史ってやつだ!」
「微妙に違いますが、まあ、大人になってこんな青春だったと思い出せば、枕に顔を埋めて足をバタつかせそうですね」
「てめえらマジでなんなのおぉ!」
まさかの責め苦に、ABCが体を震わせ涙目になっていた。もう彼らとて、このスタイルが黒歴史にも匹敵する無理あるファッションと自覚しているのか。第三者に指摘されて改めて、今後のスタイルを変えようかと。
「ちっが、おめえらっ、惑わされんな!こいつらの方が、十分に黒歴史だぜ!」
弱点見つけたりとAが指差す渉と阿行を取り巻きたちは見て、「確かに!」と賛同した。
余計なお世話だ、と渉はさして動じない。黒歴史――大人になって後悔する時など“そもそも来るわけがない”のだから。


