「つうか、呪いだなんて嘘つきやがってっ。てめえは『えすぱー』だろうが!舎弟一号が俺から逃げられると思うなよ、ェアーン?てめえのその『えすぱー』を俺のために使えや!

てめえみてえな便利な奴を俺が逃がすわけねえだろうが、ブゥワアァカっ。俺様の目が黒い内は、てめえに一生寄生してやんよ、ヒャッハー!」


「空気読めや、噛ませ犬」


溝出が言うところの黒い目(空洞)に指をかけて、地面に叩きつける秋月が、改めて渉と“向き合った”。


「なんなん、ひどい顔やなぁ。そない泣くなら、最初から言わん方がええのに」


不出来な子供を相手するように、秋月は着物の袖で渉の目元を拭いた。


「ぼく、は……」