罪語りて所在の月を見る



良い方で、熟れたザクロを彷彿させる額の男を渉は見たが――正直に言うと、一番に心臓を脈打たせていたのは渉だった。


今にも喉から暴れ飛び出しそうな心臓を無理矢理に押し込み、震える唇と声を何とか抑えて、そうして平静を装う。


皆が動揺したから、逆に冷静にならなきゃと、それが幸いして適切な対応ができたが――内心は、あることを思って暴れていた。


もしも、みんなの中の誰かに当たっていたら――


自身を傷つけるものを弾くなり、回避させたりをさせていたものだが、弾いたあとの物の行く末までは念頭に置いていない。


渉さえ傷つかなければいいとした呪いは、あんなことまでやってしまった。


あのリーダー格の奴に当たって良かったなどと思いたくはないが、友人の誰かに当たらなくて良かったという本心は消えずに。