“アナタノタメニ”
「だから、やめろと言っているんだ……!」
幻聴に、喚いた。
喚いて、笑った。
ああ、本当に、何をしているんだ、僕は。
もう慣れたと思ったが、やはり無理らしい。
幻聴にでさえも反応し、幻覚さえも覚えるほど、弱っていただなんて。
一人でいるときは少なくとも、普通でいられたが――こんなにも、僕はみんなと一緒にいたかったんだと知る。
別れたくない別れたくない、でも別れなければみんなが危ない。そんな苦悩に苦悩を重ねた精神のヒビに入り込まれたらしい。
迷いは人を弱らせる。どちらも選びたいだなんて都合良く事が運べないと分かっているからこそ、苦悩は大きく――決めやすかった。


