ともあれ、“彼女”は阿行にこれを伝え、阿行は冬月たちに伝えたとなる。
学園から出るに辺り、“彼女”におぶさった図が出てきた。こちらまで来た早さで言えば、もしかしたら冬月たちは学園近くにいて、阿行が行きずりに声をかけただけなのかもしれないが――何にしても、“彼女”と阿行たちのおかげで、大事にはならなかったと、礼を言うべきだが。
「……」
出かけの言葉を呑み込んだ。
『恐らくは、一番会いたくなかった人たち』
冬月たちを見て真っ先に思ったことが、まだ突っかかるらしい。
あんなことがあった後では、『友達に会わせる顔が分からなくなっていた』んだ。
友人たちは優しい。決して、自身を傷つけないと分かっていても、自身にまとわりつく呪いが、『それでも無害だ』とは軽んじては言えないもの。


