秋月の旋風が波を――群れた人をことごとくひれ伏させた。
「が、ぁ」
達人と凡人、武人と素人、その差を体で味わった奴らは地に頬をつけた状態から立ち上がらなかった。
体のどこが患部なのかも分からない全身の鈍痛。刀だから斬られたと思ったが、血は出ていなかった。
刀に関して知識ない奴らでも、峰打ちという加減をされたと勘づき――された上で、こうにも戦意喪失をさせる負傷を作るとはと唇を震わせた。
明確な差、愕然とした格の違い。獅子と猫のように、同じ種族で、“こんなにも違うだなんて”――
「ひぃっ」
まだ無事な奴らが足を止めて、へっぴり腰になったところで、陽気な声が聞こえた。
「ほんに兄さんは優しいわぁ。こないな奴らに峰打ちやなんて。ああ――ほんに、兄さんの優しさは僕だけのものなのに」


