わざと遅れてきた溝出が、ここぞとばかりに目立つポジションを得た。
「どわあぁっ」
「ほ、骨があぁぁ!」
溝出登場により、蜘蛛の子散らしたように溝出、渉から距離を置くヤンキーども。
「おうおうおうっ、誰の許可得て人様のしま荒らしてんだ!日本全国、どんな地帯だって、全部、大妖怪溝出様の支配下にあんだよ!
しゃば代寄越せやあぁぁ!一人につき、てれびじょん様一台上納しろや、ブゥオケエェ!」
噛ませ犬が目立つとこうも騒がしくなるのか。常日頃からウザイが今は三割増しになっている。
「なん、で……」
そんな溝出と、刀を持った二人――冬月と秋月を見たまま、渉は固まる。
恐らくは、一番に会いたくなかった。


