両者ともにくつくつと笑い、こちらに近づいてくる。しんなりとした舞妓みたいな優美さを持つ歩行なのに、ブレがない。
芯はまっすぐに、一部の隙もないと言いたいがごとく、刀を抜いた二人がこちらに近づく。
「な、なんなんだよ、てめえら!」
「リーダーっ、リーダーっ。しっかりしてください!」
刀を持たれては、怖じ気づいてしまう。そんな時に頼るのは、仲間内で一番強いとされるリーダーだが、声をかけてもこちらを見ない。
無視するときでもないだろうと一人がリーダーの体を揺すり――その時になって、やっとリーダーが我に返った。
どっと溜まる疲労感に、前が見えなくなるほど涙で溺れた眼球。記憶が混濁し、自身が何をしているかも忘れるほどの統失を味わうが、手下に「しっかり」と頬を叩かれたことが、いい呼び水となった。


