「なんダ、こいつ」
びびったか、とリーダー格が肩透かしをくらい、次にへらへらと嘲笑った。
あれだけ冷静に歯向かいはしないものの、言葉で拒絶してきた少年が、身を丸めて震えているさまは、これから殴るこちらとしては好都合のいびりがいある獲物に見えた。
「びびりすぎてちびったカ?だははっ、てめえら、やっちまうぞー。準備いいかー」
足元に転がる鉄パイプを持てば、次々に他の奴らも鉄パイプやらバールやらと、近場にあった殴打具を手にした。
ぎぃ、ぎぃ。と鉄パイプの先端が地面に擦られながら、渉に近づく。
殺すと言ったが殺すつもりはない。どんな馬鹿でも警察は苦手なのだ。
暴力をふるった時点で傷害罪だが、“被害者が犯人を喋らなければ特定できない”。


