罪語りて所在の月を見る



「――」


息を吸って吐けず、渉は逃げるように下がった。


後ろを向くことさえ恐怖し、ただまさかと、足が怯え、前を向きながら後退という理解不能な行動をした。


待てっとヤンキーたちが追ってくるが、すぐに足を止める。何せ、逃げたと思った渉が、壁に集められた鉄パイプの束にぶつかるなりにその場で地に尻をつけて立たなかった。止まったのは追いかける必要がなり、渉がぶつかったために鉄パイプが怒涛としてなし崩しに倒れてきたからだ。


鉄琴の不協和音が落ちた鉄パイプから奏でられる。その光景にゾッとしたのはヤンキーたちだ。


半端がない量。事故にもなりうるその中――渉にただの一本も当たりはしなかった。


掠めもしない、渉の頭上に壁でもあるがごとく、綺麗に横にそれた鉄パイプ。