罪語りて所在の月を見る



拍手喝采とは舞台終わりにある華麗なものではなく、笑い声が混じった下品でしかない野次に過ぎなかった。


帽子のツバから流れた小麦色の液体を見て、「ああ、これは防がないのか」と渉は変なところに関心を持った。


確かに液体――こんな少量をかけたぐらいでは傷もつかないし害もない。未判定となった液体は渉を死へと直結させないが、精神的にくるものがあった。


――分かっている。怒りを持ち合わせてはならない。経験則で断定などできないが、“アレが来る”。僕を守るもの、僕を命日まで生かすもの、命日になったら殺すアレが、僕に何かしようとするこいつらに何か思ってしまえばおしまいだ。

“悟られるな”。頼むから、隠せ。隠せばいいんだ、我慢すればいい、こんなの、“こんなのに比べたらあの時なんて”――