『僕はそれでも、みんなが好きなんだ』
「……っ」
息を、止めた。
いつかの言葉に、いつかの答えに、いつかの想いに――あまりにも身勝手さを感じて。
それでも――それでもってなんだ?
あの時、あの時は、みんなを突き放したくないからそう言ったけど。『それでも』僕は何をしようとした……。
みんなと一緒にいたいと願い、僕にあるアレを黙り、付き合い、このままでいようだなんて――虫が良すぎる話なのに……!
「おい、聞いてんのかてめぇ」
考える頭の上から声がした。意識を向ければ、あのリーダー格が間近に。
「てめえは今日ここでぶっ殺すから」
手に持っていた飲みかけであろうビールの缶を傾けた。
じゅわじゅわと泡が弾けて、タバコに酒臭さが混じる。学生帽を濡らし、肩を濡らし、染み渡る液体。
ビールで汚された渉を見て、辺りから拍手喝采が湧いた。


