唸るような声に目が覚めた。 …ん? 寝惚けた目を擦りながら、辺りを見渡せば、陣痛に苦しむ芽ちゃんが、永斗を抱く成美に支えられてた。 「…あ、陣痛!」 「海斗……間隔が5分になったから、行くね」 「ちょっと、待って。俺も行く」 永斗を連れて行くのも、1人で行くのも大変だ。 子供たちは母親に病院へ迎えに来て貰えば良いし、とりあえず全員で行こう。 永美を抱っこして立ち上がり、永斗も成美の腕から奪い、駐車場へ。 2人をチャイルドシートへ寝せ、運転席に乗り込み、ガムを噛みながら産婦人科へ。