今日も無事に、定時で仕事が終わった。
エレベーターホールで、俺を待つ優里が居る為、今日も残業を装うか迷う。
…良くも毎日、待つよな。
他人事みたいに思えるほど、もう慣れた。
「海斗さん!海斗さんっ!」
しかし、優里の大学時代の元カレで、直属の後輩である玉置ータマキーが「送ります!」と、反対に位置する車通勤のヤツら専用エレベーターがあるホールから手招きしてる為、逃げるように外へと来れた。
「サンキューな」
「良いえ。良ければ、本当に送りますよ?」
こんな良いヤツ、どうして振ったんだか。
もったいない女だよな。