「海斗さん、一体、何がどうしたんですか?!」
成美が家を出て1時間。
誠之介君が職場から駆け付けて来た。
下川さんに来てないか訊いたが居らず、芽ちゃんからの電話が止まらない。
「実は――…」
ありのままの真実を話せば、誠之介君は「は?」と、眉間にシワを寄せた。
「成美ちゃん、このままだと海斗さんから離れて行きますよ?それをわかってる筈なのに、何で言わなかったんですか!」
何でかは、自分でもわからない。
優里の妊娠を、ちっとも喜べはしなかったが、後悔する結果となった。
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