私は彼の声が好きだった


彼の声は透き通っていて
美しいうえにぶれの無い声なんだ

ただ、歌を歌うことも
この時の彼には酷なことだった



「ゆうちゃん俺が歌う時よくおるよな」
「………」

ばれていた
私は顔が赤くなったことを覚えている