ドアノブに手を掛けたまま顔だけを亜稀羅に向けた。 最近亜稀羅はmoonの倉庫に入り浸りだからね…。あたしが居るからとかなんとか…。 『今日、倉庫行けないって言っといて』 「……帰って来ないの?」 心配そうな表情をする亜稀羅に苦笑いした。 『帰っては来るよ。ただ、用事が長引くかもしれないから』 「ん、わかった」 『ありがとー』 ヒラヒラと手を振ってドアを閉めた。 黒いパーカーにジーンズ、男物のような黒に銀装飾のブーツ。 これだけでもう“黒狼”の雰囲気が漂ってる。