-瑠宇 side-



そろそろ、馨が…いや。“黒狼”が動き出すな…。


煙草を吹かして灰皿に押し付け消した。




「お前ら、どこまで情報知ってんだ?」




ソファーにもたれて、腕を組んでそう聞いた。すると朔弥がパソコンをやる手を止めて俺を見た。





「ある程度の事は、聞いてますよ」

「ふぅん…。じゃ、今回は1人でやる訳じゃねえんだな」





でも、アイツはきっと今回も1人で闘って1人傷付くんだろうな。誰かと協力して闘う事に慣れてないアイツは…。




「瑠宇さん」

「ん?」




唯兎が真剣な顔で俺を見てくるから、少し驚いた。




「馨は嶽さんの為に闘うんじゃないって言ってましたけど、本当なんですか?」

「……どういう意味だ?」




唯兎は怪訝な顔をすると、ゆっくりと話し出した。