「違う・・・・違う違う!!!」

「蝶?」

土方先輩が私をなだめようと肩を掴む。

「私が知っている香りは、この香じゃない・・・・・」

私の知っているぬくもり、微笑み、優しさ、いとしい笑顔・・・・

似ているのに全部が違う。

「気が付いたのね。」

「え?」

その声が聞こえたとたんに世界がはじけ飛ぶ。

すべてが光に包まれて気が付くと光の中に立っていた。

「ここ、は・・・・・?」

「ここは夢と現実のはざまよ。」

声の主を見上げる。

「凛さん・・・・」

「お久しぶり。蝶ちゃん。」

「凛さん私っ!!!」

「わかっているわ。あなたは眠っているだけよ。」

「眠っているだけ・・・・?」

「そう。未来のあなたの力によって眠っているだけ。」

「うそ・・・・」

やっぱり、あの人は未来の私なんだ。

じゃあ、あの人が未来の私なら・・・・

「私は、土方さんの元を自ら離れる日が来るの・・・・・?」